45話〜約束です〜 ページ46
隼人side
毒使い、怪力、銃使い。様々な特徴を持つ殺し屋を退けて辿り着いた最上階。
そこに居たのはおれの予想通りの人物で、先回りするべく俺は単独行動に移った。
多分、あいつの目的は渚くんへの復讐だろう。
それならきっと誰も邪魔できないように何か細工をしているはず。
隼「やっぱりあった」
柱と階段につけられた爆弾。
設置場所からすると、最終的な目的地はこの辺か。
場所に目星をつけて爆発の影響を受けない物陰に身を潜めた。
そうすれば想像通り渚くんだけを連れて移動してくる。
俺がこの場にいることも知らずに。
ダメじゃないですか、鷹岡センセー。
計画練るなら最後までしっかり確認しなきゃ。
だからこうやって足元掬われるんだよ、バーカ。
鷹「謝罪しろ、土下座だ」
渚「…………」
鷹「実力がないから卑怯な手を使って奇襲した。それについて誠心誠意、な」
卑怯な手、ねぇ。
隼「卑怯な手使ってんのはどっちだよ、鷹岡センセ」
緊迫した空気の中、俺の挑発するような声が響く。
渚「……はやとくん？なんで」
隼「俺、汚い大人の中で育ったから何となく企みとか分かるんだよね」
舌を出して悪戯っぽく笑う俺は1人だけ異質だ。
ごめんね、渚くん。今の俺そこまで余裕ないからさぁ君の言いたいことは分かるけど、答えてあげられないや。
隼「鷹岡さん、約束です。俺と殺ってください」
鷹「調子乗ってんじゃねぇぞクソガキ！！！この薬がどうなっても、」
隼「構いませんよ」
「「「！？」」」
そんな薬、どうだっていい。最悪1本でも手に入ればどうとでもなる。
それにその薬がどうでもいいと分かれば俺達を脅せるものはもう何も無いだろ？
渚「隼人くん！？どうして！それがないとみんなが！！」
隼「大丈夫。絶対死なせないから」
だから、少しだけ黙っててくれ。
なんて、口が裂けても言えないなぁ。
隼「とまぁ、その薬に価値がないとわかったとこで……。俺と殺ってください。それとも負けるの怖いですか？」
鷹「上等だ、ぶっ潰してやる！！」
相手が馬鹿でよかった。
1度だけ深呼吸をして技を仕掛け始める。
隼「俺ね、世の中で一つだけ許せないことがあるんです」
指1本触れさせず、地面へ這いつくばらせて押さえ付けた。
隼「それはね、妹への危害。……だから、手加減できなくてすみません」
そう言いながら地面にひれ伏す男の腕を1本折った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湯のみ | 作成日時：2021年10月11日 7時
