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私が“あの人”と出会ったのは中学2年生の頃
同じクラスで席が隣だった
“あの人”とは音楽の趣味が合って仲良くなった
最初は静かな人だな、と思ったけれど話していくうちにそんなことは思わなくなった
意外とよく笑うし、運動もできる、あと少しヤンチャで先生によく怒られてた
段々と可愛らしい彼に惹かれていった
笑う時に見える歯茎も、低めの声も、全てが愛おしかった
中学二年生の冬
“あの人”から告白された
好き、と言われたのはそれが最初で最後
“あの人”は愛情表現が苦手だった、最初はそれすらも愛おしかった
けど人間というのは欲深いもので、子供だった私は不満を感じ始めた
子供だったから、不安になった
彼は不器用なりに愛を伝えてくれた
私の好きなものを覚えていてくれて買ってきたり、たくさん喋ってくれた
私が体調が悪いのを隠していてもすぐに気づいてくれた
子供だった私はそれに気づけなかった
言葉が欲しかった。言葉にしてくれないとわからなかった、気づけなかった
彼はたくさん気づいてくれたのに
それから色々すれ違って最終的には別れてしまった
全部私が悪かったのに彼は謝った
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作者名：早乙女 | 作成日時：2022年5月1日 23時
