Ⅰ 緑谷さんはええ人 (ページ35)

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#09 ページ35

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出久side

金澤さんはオールマイトと一通り話すと、僕の元来た。

『…ごめん緑谷君、私さっきの話聞いてもうてんやんか』

やっぱり聞かれてしまったみたいだ。

言ってはいけないことだったけど、かっちゃんにはわかってもらいたかったんだ。

校門で大きな声を出して口にするのというのは、あまりにも軽率な行為だったと反省した。

出｢金澤さん…このことは…｣

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『何にせよ、個性出たんやもんな！ほんまによかった！』

出｢…えっ？｣

『ヒーロー科も本格的に訓練始まんねやんな？

大変やろうけど、頑張ってな！応援してるから！』

出｢…うん、ありがとう｣

金澤さんの言葉に驚いた。

さっきの話について、深く掘り下げてこなかったから。

『そうや、これ荷物！今日の夜にはギプス外して大丈夫やけど、帰ったら安静にしときや！

…いける？』

金澤さんは僕のリュックをずっと持っててくれていた。

｢わかった。大丈夫だよ、重いのに…本当にありがとう｣

僕がそう言うと、左肩にリュックをかけてくれた。

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『ほんなら緑谷君、またな！

オールマイト、ありがとうございました！』

オ｢ああ！気をつけて帰るんだよ！｣

颯爽と去っていく彼女に、僕は弱々しく手を振った。