Ⅰ 緑谷さんはええ人 (ページ29)

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#03 ページ29

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出久side

目が覚めると、腕にわずかな痛みを感じた。

固定された右腕と、点滴が刺さっている左手

授業の対人戦闘訓練で…かっちゃんと戦って…それで…

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リ｢目が覚めたかい｣

出｢…リカバリーガール、僕は…｣

リ｢お前はまた派手にやったね、もう放課後だよ。

点滴は全部入ったようだが、動けるかい？｣

出｢っ…はい…｣

僕はまた…

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『失礼します』

保健室に来たのは金澤さんだった。

『あっ！緑谷君！

よかった！目、覚めたんやね！』

出｢…もしかして、また金澤さんが…？｣

『いやぁ…だって緑谷君めっちゃ大ケガしてんねんもん、びっくりしたわぁ～(笑)

ヒーロー科って大変なんやね、お疲れ様。痛みマシなった？』

金澤さんは明るい声で話しかけてくれた。

出｢うん、本当にありがとう｣

リ｢緑谷も元気そうで何よりだ。

二人とももう下校時刻だから、あまり遅くならないようにしなさい｣

『ほんなら、私途中まで送って行きます！荷物、教室やんな？

しくった！持って来たったらよかった！』

出｢だっ、大丈夫だよ！送ってくれるだけでもありがたいのに…！｣

僕が口を開く前にすいすいと話を進める金澤さん

大阪の人だなっていうのがよくわかる。

『あっ！ごめん、私またベラベラと…！///

えっと…ゆっくりでええからな？』

出｢う、うん…｣

ハッとして顔を赤らめる金澤さんを

ちょっと、可愛いな。なんて思ってしまった。

『リカバリーガール、ありがとうございました！』

出｢ありがとうございました｣

リ｢気をつけて帰るんだよ｣

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『歩くぶんには大丈夫みたいやね、よかった！』

金澤さんはいつも優しく笑ってくれるけど

甘えてばかりじゃダメだ。

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ワン・フォー・オールをもっと自分のものにしなきゃ…！