Ⅰ 緑谷さんはええ人 (ページ5)

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『あの、よかったらでいいんですけど…それ、見せていただけませんか…？』

出｢は、はい…！大丈夫デス！｣

今まで同年代の女性とあまり話したことのない出久は、緊張が隠せないようだった。

『ふふっ、ありがとうございます！

緊張してはります？リラックスしてくださいね(笑)』

Aは笑顔でそう言った。

出｢す、すみません…えっと、時間とか、大丈夫なんですか？何か用事があるんじゃ…｣

『いえいえ(笑)実は私、明日高校入試なんですよ！

当日困らんように、会場までのルート辿っとこう思て…』

呑気に笑いながら言ってる場合ではないと思うのだが…

出｢そうなんですか！？実は僕もなんですよ！｣

『えっ！？ごめんなさい！大事な時やのに呼び止めてしまって…！』

出｢ぼ、僕は大丈夫ですよ！ノートを探していたので、少しなら…っ！｣

『お忙しいのにありがとうございます…

差し支えなければ教えていただきたいんですけど、どこ受けはるんですか…？』

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出｢雄英高校です、ヒーロー科を目指してます！｣

出久はキラキラした眼差しで、どこか嬉しそうだった。

『ほんまですか！！一緒ですね！』

出｢そうなんですね！僕、ここから雄英までの道はわかりますよ！

大事な物を拾ってもらったので、お礼もかねて案内します！｣

『ありがとうございます…！』

2人は話を弾ませながら、雄英高校に向かった。