bad endはお呼びじゃない【納棺師】 ページ11
此方はリクエスト作品となります。
―――――――――
チャリチャリ、カチカチ。
金属がぶつかる音が、暗い室内で反響する。ここはどこなんだろうか。
私は自室で寝ていたはずなのに、いつの間にか知らない所に移動させられ、その上拘束までされている。何が起こっている。
「起きた？」
背後から声がかけられ振り向くと、そこには納棺師のカールさんがいた。
最近荘園に来た新人さんだ。
「あ、カールさん！もしかしてカールさんも気付いたらここに？」
ああ、良かった。一人じゃなかった。
安心して頬を緩ませていると、カールさんはクスクスと笑い出した。
そこでハッとする。私は拘束されているのに、カールさんは手足が自由だ。
「あ、あの、もしよろしければ、拘束を解くのを手伝ってもらえると嬉しいなぁ...、なんて」
何故だか寒気がする。暗闇で上手くカールさんの顔が見えない。
ここから速く出て、自室でホットココアでも飲みたい。
「何故？」
「え...？」
「Aをここに拘束したのは僕なのに、何故解かなくてはいけない？」
「な、なに言って...」
カールさんは一体何を言っているのだろうか。
分からない。
カールさんはおもむろに近付くと、私の両頬を手のひらで掴み、顔を上に向けた。
強制的に目が合う。
「Aは綺麗だ。笑った顔も。怒った顔も。泣いた顔も。苦痛で歪む顔も」
「カールさ―――」
「だけど、Aの目は他ばかり見て僕を見てはくれない」
「み、見てます！何でそんなこと言うんですか！何が言いたいんですか！」
恐怖で顔が歪み、涙も滲んできた。
分からない。分からない分からない。何が言いたいのか、何をしてほしいのか、私には全く分からない。
「だから考えたんだ。僕だけを見てくれる方法を」
「は....」
「Aは綺麗だ。だからきっと、死に化粧をすればもっと綺麗になるし、僕だけのものになる」
「ヒッ...、いや....」
狂気しか感じない。
「大丈夫。痛くないようにする」
そう言って凶器を手に取るカールさんは、私の好きなカールさんじゃない。
死体しか好きになれない人で、私のような生者には無愛想で、でも、何かと気にかけてくれるカールさんじゃない。
好きなのに。何で。
凶器が喉元に迫る。
ああ、嫌だ、死にたくない。こんなことになるなら、玉砕覚悟でカールさんに気持ちを伝えれば良かった。ああ。
「カールさん、大好きでした」
鮮血が舞い、喉に赤い花が咲いた。
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ラッキーキャラクター
泥棒
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ゆーさん(プロフ) - 突然ですが皆様、諸事情によりこのアカウントが使えなくなってしまい、新しくアカウントを作りました。此方にて更新致しますので、把握お願い致します。本当に申し訳ありません。 (2018年12月28日 1時) (
レス) id: deab7b4ae1 (このIDを非表示/違反報告)
橘欅(プロフ) - ナワーブ君尊い…ッ！！この作品、とてもほのぼのして大好きです。影から応援させて頂いています。更新頑張って下さい！ (2018年12月23日 18時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - え、エマちゃん…女スパイになれるのでは…？← (2018年12月23日 9時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯 - ゆーさんさん» 私もですよ、ネ友さんしか第五やってる人いなくて……なので私も嬉しいです！ (2018年12月21日 21時) (レス) id: 0bdbc7c12f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - 刻卯 さん» ちゃんと私も寝ましたーん(笑)私も身近に第五やってる人とかいなくて、全然語れなかったので嬉しいです！ (2018年12月21日 17時) (レス) id: 3afbd52850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーさん | 作成日時：2018年12月19日 19時
