薄桜鬼 “光の力”を使う少女9

★第79話★ “武士の魂”2 ページ16

新政府軍は奥州を目指し、

軍を勧めつつあった...。

ーー慶応4年5月末 会津 白河口ーー

ｻﾞｼｭｯ!!

斎藤は、目に立ち塞がる敵を斬った。すると、島田が斎藤に語り出した。

島田:「斎藤組長！！敵の右翼隊がこちらへ進軍！！このままでは、挟撃されます！！」

一:「！！」

斎藤は、島田の声を聞き周りを見た。するとそこには、大群を率いた新政府軍の援軍が向かって来ていたのだった。

隊士1:「援軍が来たぞ！！押し返せ！！」

こちらの見方は、不利なのだと分かっているのか否なのか...いずれにしろ、斎藤はこれ以上隊士の数を減らしたくは無かった。

一:「退け！！」

と、斎藤は言うが...

正木:「！！ 退くな！！退いてはならん！！」

と、正木兵衛は見方の隊士に...斎藤の命とは全く逆の言葉を言い放った。

一:「なぜ命令を聞かん！！」

斎藤は、正木を怒鳴るように問いかけた。返ってきた言葉は...

正木:「敵の数に臆されたか！！命を惜しんでこの白河口を取られては...」

一:「命の捨て処を間違っては、ただの犬死にだ！！」

正木:「なに！？」

正木は斎藤に振り向いた。

一:「今は生きて会津と容保公をお守りする事が誠の忠孝。...武士の道ではないのか？」

正木:「......」 ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ!!

隊士2:「わあっ！！」

正木:「！？」

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟ...!!

隊士3:「ぐあっ！！」

一:「退け。あんたの命令になら、彼等は聞く。」

正木も、これ以上の隊士を犠牲にはしたくなかったのだろう。ｷﾞﾘｯ...と、唇を噛み締め...

正木:「退けーーーーーー！！」

と、見方の隊士に言った。そして、傷ついた隊士を運ぶ時、斎藤の戦う姿を正木は目に焼き付けたのだった...。

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