〈SSL〉 “光”の力を使う少女 returns

☆第23話☆ 風 邪2 ー沖田sideー ページ35

千鶴ちゃんが急に僕の
腕を掴んで来たからビックリ
したけど...その後の内容に凄く驚いた。

千鶴:『A、熱があるんです！！』

その言葉だけで僕は物凄く焦った。

今思えば、あの時代...僕と夫婦になっても
Aは家事やらなにやら...休む事を余り
しなかった。

それで結局、無理が重なって倒れちゃった
んだよね......あの時も焦ったけど...(苦笑)

Aの住んでいるアパートに着いて鍵を
開けると、部屋の中は物凄くシンプル...
というか、殺風景だった。

ほら、女の子の部屋って言えばピンクとか赤
とか派手な色の物が沢山あるでしょ？
でも、Aの部屋の中は殆どそう言う
派手な色の物は無かった。

あるのは、仏壇に備えられた両親と思われる
写真と......後は、勉強机とかベッドとか
お茶碗とか...日常的に使う物...それだけ
だった。

今の僕には、家に帰るとミツ姉さんが居る。
だから、帰って来たら『お帰り。』って言う言葉
があるけど......8歳という若さで両親を羅刹に
殺されたこの子には......それを言ってくれる
人がもう...どこにも居ないんだ......。

A:「お父......さん......
お母.........さん」

熱でうわ言をを呟いたAの目からは涙が
流れていて......僕はそれをそっと拭った。

総司:「A......もう、独りじゃない
んだから......甘えていいんだからね......」

だから、全てを自分1人で抱え込まないでよ。

僕が......僕達、新選組がいるんだから。

ーー沖田side 終了ーー

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