愛があれば【ホークス】ⅱ (ページ6)

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番外編//: ハナカマキリ.. ページ6

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『5日間だけ、単独行動させて(私に時間を)下さい』

最初の事件が起きてから約3か月

それなのになぜ未だに捕まらず、民間人からの目撃情報すらないのか

それは容疑者の個性が擬態を得意とする

“ハナカマキリ”だから

「ちょっと待てよ嬢ちゃん

なんで此処に呼ばれたのかは知らねえが、俺らに協力する気あんのか」

パイプ椅子からギシッと高い音が鳴らして男が立ち上がった

『もちろん、協力させていただく為に来ました

しかしこれはあくまでも私個人のお願いです

承諾していただけなくても結構ですが、新しい策を講じるのも悪くは無いと思います』

どうでしょう、と得意の笑顔で問い返すが男は無表情のまま

「5日間で何をするつもりだ」

『大まかに説明すると、彼女が次のターゲットにするであろう人物に成るんです』

その為にターゲットの捜索に2日、接触し捕らえるまでに3日必要なんです

淡々と説明していくと、ホワイトボードの前に立っている警官が慌てた様子で口を開いた

「そ、捜索にたったの2日ですか！？

次に現れる場所が凡そ予測できていても、必ずしもそこに現れるとは限らないのですよ！？」

「それに！、容疑者の顔の特徴は全て異なっていて判別なんてとても…ッ！」

ホワイトボードに貼られている生存した被害者から聞き出した容疑者の似顔絵はどれも別人にしか見えない

水谷さんから貰った資料の写真は偶然事件現場近くの防犯カメラに映ったモノで、その顔が本物かどうかは判断できない

一見してみれば、ほぼ詰み状態

…なるほど、だから私が態々こっちに呼ばれたのか

『問題ありません

私の個性に丁度“そういうの”に適した子がいるんです』

変装のプロといっても所詮は偽物

嘘つきが嫌いなこの子に今回は手伝って貰おう

無機質な会議室にレプリカの微笑みだけが浮いていた