愛があれば【ホークス】ⅱ (ページ27)

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ブロックページ27

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それにしても

『失敗した…』

咄嗟の出来事で大きさを調節する時間が無かったとはいえ、ブロックが狭過ぎて身動きが取れない

否、最も危惧するべきは酸素量だ

このブロックは中と外が完全に遮断される

だからさっきの手放して空中にあったナイフはブロック内に収まりきらなかったので、刃の部分が綺麗に真っ二つになってしまっていたのだが

音でさえも遮断されるそれは空気も例外でなく、小さく形成されてしまったこのブロック内での酸素量は少ない

なのですぐにでもこのブロックを外して動きが格段に鈍くなった敵に向けて新しいブロックを形成したいところだが、

『はぁ、はあｯ…！』

生憎今の私の力じゃ目の前の敵を覆うほどの大きさのブロックを作るのは困難だった

ブロックを自分の思い通りの高さや幅、奥行きを調節することやそれを維持し続けるのにかなりの体力と気力がいる

それなのに、酸素が足りない

最悪な状況だった

焦ったらダメだ

余計に時間を潰すだけ

一度冷静になって下を見ると、グツグツといった表現が似合うほど地面に降りれそうな状態では無い

敵のほうを見ると、目が会った瞬間に液体を掛けられたが、ブロックが溶けることは無い

ゆっくりと液体が落ちていき、やがてもう一度敵の姿が見えたとき、口から大量の血を流していた

『！』

もしかしたら自らが生成した酸性の液体に体が耐えられなくなったのかもしれない…！

真下にほぼ正方形の薄い板のようなブロックをなんとか作ると、自身を囲むブロックを急いで解除した

『はっ、ｹﾎｯ…はぁ、』

大きく息を吸って肺の中いっぱいに空気を送り込んだ

『…よし、これならいける…！』

若干の目眩によろけそうになるのを耐えて両手の人差し指と親指を合わせて長方形をつくって覗き込む

この構え方をしたほうが、より大きさを調節がしやすいからだ

音も無く形成されたそれに、敵は再び騒ぎ出す

しかし最初に閉じ込めたブロックよりもサイズが小さいため、酸欠で気絶するのも時間の問題だろう

外からは声が聞こえないが、何かを叫び右肘を抑え続ける

血は未だに止まることなく流れていた

しかし、段々と勢いが弱まってきた血液から一瞬白い何かが見えた

『……い、いや、いやいや、』

徐々にそれは伸びていき、その芯を中心に繊維のようなものが絡みつき太くなっていく

『まさか、冗談キツいって…！』

まるで、腕を形取るように