愛があれば【ホークス】ⅱ (ページ19)

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とある夜の話ページ19

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「気になってたんだけどさあ」

『？はい』

ジョッキを傾けてお酒を飲むホークスさん

未成年の前で飲んでもいいものなのか、と思うが彼曰くアルコール度数の低いお酒だからセーフだそうだ

「個性で姿変わったとしても、意思はAちゃんのままじゃん？」

『そうですね』

「それって脳だけは個性に影響されないってこと？」

『…あー、』

どちらとも言えない声が出て、腕を組む

これって言ってもいいのだろうか

強く口止めはされていないし

目線を上げると、彼の優しい目が私を覗いていた

「無理に話さなくてもいいよ」

『…いや、ホークスさんには話します』

「2人の時は名前で呼んでって」

すみませんまだ慣れなくて、と苦笑いして話を戻した

『実は、それについてはかなり前から研究されてるんですけどまだ分からないんです』

「研究？」

『定期的に行われてるんですけど、薬だけ出されていつも帰されます』

「薬、？」

眉間に皺を寄せる啓吾くんに鞄からチャック付きのポリ袋を取り出して見せた

中には赤と白のカプセル剤が更に小分けにされて入っている

「え、多くない？」

『1回6錠を1日2回、この中身ので1ヶ月分です』

「まじ？」

『マジです』

ちょっと貸して、と言うので袋ごと渡せばまじまじとそれを睨むように見ている

「ちょっと、いやかなり怪しいよその研究」

『そうなんですか？』

「うん、…この薬ってなんで飲む必要あるの？」

『ひとつの体に2人分の意思があるとしたら脳への負担が大きいから念の為、と医者が』

深刻そうに顔を歪める彼を不思議に思いながらも、手元のりんごジュースを口に流し込んだ

「仮に、医者の言っていることが正しいとしてもその薬の量は可笑しい」

『自慢とかではないんですが、病気にかかった事ないので…、

普通の量ってどのくらいですか？』

「多くてもその半分くらいだと思うよ」

その言葉に目を見開くと、風邪すら引いたことないんだね、と苦笑いされた