離婚したらなぜか子持ちがモテた。【2and3】 (ページ10)

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9話ページ10

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まゆにぃゆうあ、迎えに行ったよ

スマホを見ると、まゆにぃからの連絡が来ていた。相変わらずの無愛想な感じで送られてくる。私はいつも通りに可愛いスタンプなんか送って、まゆにぃからの連絡を待った。

スマホを偶然見ていたからなのか、すぐに連絡が来て、まゆにぃと似たメッシュ(正確にはインナーカラー)のキャラクターのスタンプが送られた。

「ふっ」

「何笑ってるんだよぉ、A」

「え？何、人のスマホ見てんの？」

自分の席で見てたはずなのに、後ろで甲斐田がひょっこりと見ている。いや、普通にキモイ。

「通る時に見えたんだよ！！」

「あー、ハイハイ」

「ホントだよ！！」

「ハイハイ、仕事に戻れー？小等部は忙しいんだから」

これ以上絡まれると、色々とめんどくさいから、自席に戻らせた。

そっと溜息を吐く。スマホの画面には、元旦那からの連絡が連続できていた。慰謝料のことや養育費のことがあるから、無闇に連絡を切れなかった。

メッセージには、浮気をしたことへの謝罪や私と再構築をしたいなど、身の毛がよだつことばかりだ。

？「A先生！！」

頭を抱えていたら、現実に引き戻されるように名前が呼ばれた。呼ばれた先には、3年生の四季凪アキラだった。ことがバレないように彼の元に行く。

「四季凪くん、どうしたの？」

「課題を提出しに来ました」

「あぁ、ありがとね」

四季凪くんは数枚のプリントを出す。そこには、しっかりと記述されており、私が言った大したことない豆知識まで書いてあった。

この子は、他の子よりちゃんと授業を受けてくれる。受験生だから、という訳ではなく、受け持った時からずっとそうだった。

「じゃあ、預かるね」

「はい、ありがとうございます！」

見た目は大人ぽいのに、中身は意外と年相応だから安心する。ローレンもああなるのかな、って思うと、少し寂しくも嬉しく感じる。

四季凪くんはくるっと向きを変えて、職員室から消えた。