7話 ページ8
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「――ってことでさようならー」
時間は思ったより早く進み、いつの間にか学校が終わっていた。片付けをしていたら、遅刻をしたローレンと優秀なアクシアが来た。この子達、入学当初から人気だったなぁって思い出した。
「ん?どうした?」
「先生に質問があって……今、平気ですか?」
「んー内容にもよるけど……どこが分かんなかった?」
アクシアが教科書を見せながら、質問してきた。
「ここはね、ドイツの皇帝――ヴィルヘルム二世が行った政策だよ。このビスマルクじゃないから、注意してね」
「なるほど!ありがとうございます!」
「ローレンは?」
「俺はぁ、Aせんせーのこと見たかっただけ」
入学のときから、ずっとこんなこと言われる。のらりくらりでかわしながら、今は耐えてるけど、いつ攻撃が来るか分からない。
私なんかより、同世代の可愛い子を口説けばいいのに、なんて思う。そもそも生徒と教師が繋がるのはアウトだし、永遠とありえないことだと思うけど。
「そんなこと言ってないで、さっさと部活に行きな。社先生に怒られるよ?」
「え、なんで知ってんの」
「アクシアと社先生から聞いたの」
「おい、アクシア!」
「ローレンがちゃんと部活に行かないからじゃん!」
正論を言われ、ローレンの表情が固まる。ホントのことを言わないと、ローレンは行かないし。
「だから行ってきなー?」
「えー、Aせんせー、なんかしてくれるー?してくれたら俺、頑張る」
「はぁ?」
「あ、ずるい!!」
アクシアとローレンが小さい子供みたいに言い争う。言い争ってる間の身にもなってみろよ、と思いつつ口を紡ぐ。
「まぁまぁ。ローレンが部活に行き次第、考えてあげるよ。あ、アクシアも一緒にね」
「は、なんでアクシアも、!!」
「そもそも教えてくれたのは、アクシアじゃん?平等にしないと」
不満そうに俯く、ローレン。可愛いなぁ、と思いつつとりあえず場を収めた。ローレン達を部活に送り、私は疲れながら職員室に戻った。
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します!ngoパパ…えっ好き(ngo最推し)めっっっっっっっっちゃ更新楽しみにしてます!!!!!!頑張って下さい!!!!!! (7月13日 23時) (レス) @page3 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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