6話 ページ7
・
「――はーい。お前ら、自分の席戻れー」
ホームルームのチャイムが鳴り、席につくように促す。教壇に出席簿などを置き、一息つく。周りを見渡して、いない人がいないかを確認して、また目線を下にした。
「休みは……いないね。遅刻はローレンだけ?」
「寝坊でーす」
「はぁい。今月5回目の寝坊ですね」
教室中に笑いの波がくる。半分呆れながら、溜息をつく。幸い、今日の1時間目は私の授業だから、ローレンもゆっくり来れるだろう。
私はゆっくり今日のお知らせを話しながら、時々ドアを見る。
「あ、みんなに言い忘れてたけど、私、離婚しました」
ワンテンポ遅れて、驚き声が教室を包んだ。夕陽が多分クラス1驚いてる。
「え、まじですか!?」
「マジマジ。ほら、結婚指輪ないじゃん?」
左手の薬指を見せる。更に声が大きくなり、下手すれば、廊下まで聞こえそうだった。驚きの声の次は、質問が多く飛んできた。「なんで離婚したの?」とか「名字は変えないの?」とか。私は一つ一つ答えた。
「はいはい、静かに。名字は結婚しても変えないまま仕事してたの。それに離婚理由は……まぁ、察して?笑」
案の定、うちのクラスは、男女の仲がまぁ良いから、互いの憶測を投げあっていた。見てる側は面白いけど。
そしたら、優雅にドアを開けて入ってくる生徒がいた。
「ローレン!!」
アクシアが大声でその生徒の名前を呼ぶ。皆、一斉に振り向き、ローレンが注目されている。ローレンは余裕そうに声を上げた。
「Aせんせー、はよー」
「はい、遅刻だよー?今月5回目」
「ま?ヤバすぎ」
「ホントにやばいよー?はい、席につけー」
悠々と自席に座る。この光景に慣れすぎて、自分が危ういと思う。
「ローレン、良かったね。1時間目、私の授業だよ。他の先生に怒られなくて済むよー」
「ま?最高じゃん」
ほんとか?と思いつつ、何となくでホームルームを終わらせた。するとタイミングよくチャイムが鳴り、私は職員室に戻った。
あー、ちゃんと出来るかなぁ。
813人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!ngoパパ…えっ好き(ngo最推し)めっっっっっっっっちゃ更新楽しみにしてます!!!!!!頑張って下さい!!!!!! (7月13日 23時) (レス) @page3 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ