5話 ページ6
・
慌ただしい朝。結愛を幼稚園に送り、私も職場に行く。幸い、うちの職場は子どもに優しく、定時で上がってもいいのだ。なるべく上がる代わりに、早めに職場に行く。
タイムカードを切り、職員室に入る。開放的な職員室には、顔見知りの先生が多くいた。自席に荷物を置き、缶コーヒーを飲む。すると、隣の先生に声をかけられる。
「おはようございます、依野先生」
「おはようございます!クレア先生。今日も頑張りましょ!」
「そうですね〜!」
のほほんと微笑みながら、紅茶を飲むクレア先生。彼女の周りは綺麗に片付けてあり、棚の上には生徒から貰ったであろう手紙などや、国語辞典などの教科関連のものもあった。
私は机の上の教科書を退け、今日の担当のクラスの授業のことや担任をしてるクラスに向けてのお知らせをまとめる。毎回やってて、私偉い。
溜息をつきながらやっていたら、情けない声から声かけられる。
「なんだよ、甲斐田ぁ」
「聞いてよぉー!Aー!」
見えそうで見えない子犬のしっぽを下げ、私に助けを求める。
うちの学校は小学校〜高校まである。そのため、小学校〜高校の先生は同じ職員室で、先生がいっぱいいる。甲斐田は小学校の先生だから、校舎は違うものの職員室ではよく会う。
甲斐田は某青タヌキを頼るかのように言った。
「僕の生徒がぁ、彼女無い歴=年齢弄りされてぇ……」
「くだらなっ」
「え、結構重要じゃない!?」
「でも、ホントじゃん。あ、最近の小学生、彼氏彼女いるの普通だよね」
「傷をえぐらないでよ」
「は?話題にしたのはそっち」
呆れながら、教材をまとめる。甲斐田はまだ反論したそうだったけど、諦めて自分の席に戻った。
甲斐田、顔はいいのになんで彼女が出来ないんだろう。まぁ、ああ見えて理想が高そうだなぁって思ってしまう。そんなの私の勝手な想像だけど。
私は、いつもより少し早めに教室に足を向けた。
812人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!ngoパパ…えっ好き(ngo最推し)めっっっっっっっっちゃ更新楽しみにしてます!!!!!!頑張って下さい!!!!!! (7月13日 23時) (レス) @page3 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ