離婚したらなぜか子持ちがモテた。【2and3】 (ページ2)

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1話ページ2

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「あ！まま！」

幼稚園に迎えに行くと、娘が走って来た。私はしゃがんで、娘は抱きつく。

「おかえり」

「まま、あのね！あのね！叶人(かなと)くんがね、叶人くんがね！」

〝叶人くん〟って、ミルクティー色の髪型で、左目の下にホクロがある男の子だった気がする。ぼやぼやとしか姿が分からない。何となくで話を聞く。

「叶人くんがどうしたの？」

「叶人くんがね！おとなになったら、けっこんしよ！っていってくれたの！！」

娘はにこにこと笑う。反対に私の表情は固まる。今どきの保育園児は、婚約を早めに済ませるのが主流なのだろうか。私が幼い頃とは違い過ぎて、驚きが隠せない。

私は顔に出さないように笑って尋ねた。

「叶人くんのこと、すきなの？」

「すきじゃない！」

純粋な笑顔を見せる。続けて言う。

「でもね、おともだちとしてはすきだよ！」

「そっかぁ～」

私の娘らしい、反応だ。もともと、うちの可愛い娘は彼の人(・・・)の性格によく似ている。だからか、のらりくらりとしているところがある。

娘はさっきのことを気にせず、園の中にいる友だちの方へ駆けて行った。娘の後ろ姿を見ていたら、園の先生――緑仙先生がひょこっと現れた。

「結愛(ゆうあ)ちゃんのお母さん！」

「緑仙先生、どうも。いつも娘がお世話になっています」

反射的にぺこりと会釈する。先生もほぼ同じタイミングでする。緑仙先生は鮮やかな深緑の髪を揺らして、顔を上げた。

「いえいえ。こちらこそ、結愛ちゃんにお世話になっています。今日も結愛ちゃん、僕とかお友達のお手伝いしてくれたんですよ！」

「ホントですか！ありがとうございます！」

「いえいえ。最近の結愛ちゃん、身の回りのお手伝いをしてくれるので、ホントに助かってます」

緑仙先生は、楽しそうに最近の出来事を教えてくれる。ココ最近は忙しく、ほとんど、まゆにぃに任せっきりだった。だから、実際に成長を感じられてとても嬉しい。

「今度のお楽しみ会も――」

「あー！りゅーしぇんせんせぇ、しゃべっちゃだめー！！」

結愛が教室から駆け寄って、緑仙先生に被せる。緑仙先生は笑いながら、結愛と同じ目線になって言った。