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第一章 1 ページ2

壁紙から小さな置物に至るまで、一流貴族でさえ羨む様な超一流品で纏められたその部屋の中央には、一人で眠るには大きすぎる寝台が置かれており、一人の女がすやすやと眠っている。
とても、幸せそうに。

眠る女は、少女と云うには成長し過ぎ、女性と呼ぶにはまだ幼い。
女は花の様だ、何て言われるが、彼女はまさに今満開になろうとしている、美しく可憐で愛らしい花の様であった。

彼女の名は大狼 星彩(おおがみあい)
先日、19歳になったばかりである。

彼女は目を覚ますと、大きな伸びをして寝台から降り、大きな窓の前まで歩くと、一気にカアテンを開く。
すると……彼女の、綺麗だけれど全てを吸い込んでしまいそうな闇に塗りたくられたような、紅いその瞳に、綺麗なヨコハマの街並みと、使い古された表現では有るが、眼が痛くなるほどの青空が映る。

彼女はもう一度、大きく伸びをした。

其れから、何時もの様にお気に入りのをTシャツとスカアト、其れからタイツと羽織り物(ブルゾン)を手に取ると、寝間着から着替える。
そして鏡台(ドレッサー)の前に座ると、彼女は窓の外の空の様な綺麗な髪を櫛で丁寧に綺麗に梳き、軽くストレートアイロンをかけた。

こうして大体の支度を整えると、寝室の外に出、廊下を歩いていく。
先程の部屋と云い、この廊下と云い、普通、彼女の歳では住めるような家では無い。
……それどころか、一般人には一生掛かったとして住めるレベルではないのだ。
確実に一ヶ月と待たずに破産してしまうだろう。

そんな家に一人で住むという贅沢が叶っているのは、彼女がこのヨコハマの夜そのものであるポートマフィア首領補佐であるから故である。

却説、そんな彼女は居間に繋がる扉を開けようとして、その扉の向こう側に誰か(・・)が居る事に気が付く。
彼女は少し動きを止めると、次の瞬間には勢いよく扉を開いていた。

「……やぁ、星彩さん!お早う、善い朝だね!」

居る筈がないその人物(・・・・・・・・・・)は、ひらひらと手を振りながら、彼女に笑いかけている。

彼女は、その人物を見るなり……呆れたように、大きな溜息を吐いたのだった。

其の「居る筈のない人物」とは、他ならぬ____

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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年9月27日 16時

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