兄は、オレンジのひつじさん2

これからも2人で ページ24

話によると、Aは花嫁修行をさせていたらしい。

Aの体を見ると、突き飛ばされた時や朝寝坊して蹴られた時にできた傷も背中にあった。
手も荒れていた。


頭おかしない？

何が花嫁修行？
花嫁修行をさせるだけなら、なんでまともに飯を食わせなかった？
なんで、勝手に連れ去った？


Aは家に入った今でも、泣いている。
俺はソファに座らせて、うんと甘えさせてあげることにした。


「お兄ちゃんとの暮らしが無理だったら、施設に戻っていいって言われたのはね、本当だった……。でも、無理なんかじゃないの……！ 本当は私、お兄ちゃんと暮らしたいってずっと思ってた……！ わ、わたし、これからもお兄ちゃんと暮らしたい……！ それでもいいかな？」


俺は、うん、うん、とAの言葉を何一つ遮らずに言った。


ジ「ええに決まってるやろ？ お兄ちゃんも、Aと暮らしたい」


「お兄ちゃん……」


肩を震わせて、声を上げて泣いた。
この涙は絶対に遮らない。

今は、思う存分に泣いてほしい。
全部全部、お兄ちゃんが受け止めたるからな……。

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