第四十八話 ページ50
”何言ってるんですか…そんな代わりだなんて”
ロー｢俺は本気で言っている、大切な人を奪われた気持ちは誰よりも分かっているつもりだ｣
”でも私、記憶が無くなるまではずっと直哉くんの事考えていたいんです”
ロー｢…構わねェ、俺が好きでやる事だ｣
ﾊﾞﾝｯ!!
｢！？｣
ロー｢…出入りは禁止しているはずだぞ、黒足屋｣
何故か怒りで震えてるのか拳を力強く握っているサンジくんが現れた
サンジ｢旦那の代わりになるってなんだ！！！お前ばっかりいい所持っていきやがって…俺だってAちゃんに尽くしたいんだ、トラ男だけに行かせねぇぞ｣
ロー｢いいから出て行け、Aは全治3ヶ月だ｣
シッシとジェスチャーをしながらサンジくんを追い出そうとするロー様だが、サンジくんは気にせず頭を下げ出す
サンジ｢んなに待てるか！！…Aちゃん、俺も君に仕えたいんだ！！怪我したお世話させてくれ！！君が好きなんだ！！尽くしたい！本当に！！｣
ロー｢お前なぁ…！｣
”わかりました”
困り笑いしながらスマホの画面を見せる
ロー｢！？Aお前…！｣
”きっと、毎日止める方が骨が折れると思いますよ”
腑に落ちないロー様を説得する
ロー｢チッ…お前はそういうお人好しな所が悪い所でもあるんだぞ｣
サンジ｢！！ありがとう！！Aちゃん！！｣
”私、お腹すいちゃったかも！サンジくんの美味しいご飯食べたいな！”
サンジ｢分かったよ！！Aちゃんの仰せのままに！｣
私の前に跪き、怪我したところが響かないように優しく手の甲にキスをされ思わず顔が赤くなった
その顔を見た瞬間、サンジくんは嬉しそうな笑顔を見せ、ロー様は顔を歪ませた。きっと嫉妬だろうな
ロー｢あ、おい黒足屋！！喉怪我してるから刺激の無いやつにしろよ！！！｣
サンジ｢俺がそんな気遣いも出来ない奴だといつ錯覚したってんだよ｣
ヒラヒラと手を振り颯爽といなくなった
ロー｢全く、お前も黒足屋もどっちもどっちだな｣
｢呆れた｣と独り言を呟くと、ロー様は深く帽子を被った
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作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
