第三十一話ｰサンジsideｰ ページ32
サンジ「Aちゃんは好きな食べ物なに？」
「えー？なんだろう、唐揚げとかー？」
サンジ「じゃあ今日の晩御飯の献立にいれておくね」
「ほんとぉ！？うれしいな、サンジくんのご飯ほんとに美味しすぎて太っちゃうなぁ」
可愛い
可愛いなぁ
美味しすぎて太っちゃうって、女の子らしい発言も愛おしいし、優しい笑顔が可愛い
ナミさんやロビンちゃんと一緒にいる時とはまた違う可愛さがある
あの二人は容姿がとても整っていて、女神像を眺めているような気分だ。もちろん世のレディは皆女神だが
この子はちょっと違う。もっと、親身で素朴で、それで尚且つ優しい……それ故に簡単に他の男に取られたり、悪い色に染まりやすい感じがする
俺は今までそんな感情になったこと無かったから、最初は分からずAちゃんを敵だと思っていた
こんなに心底いい子なのに、健気な気持ちを踏みにじってしまっていた
ごめんね、Aちゃん…疑って
俺が、責任もって君のお世話するからね
…………
あー……他の野郎に渡したくない
こんなに可愛いAちゃんを渡したくねェ
Aちゃん、既婚者って言ってたけど
Aちゃんの傍にずっとずーっと居られないような男なんて、捨てて欲しい
俺は、何があってもAちゃんを手放したりそばに居ない様な男じゃない
それなのに他の野郎に取られているだなんて考えるだけで虫唾が走る
それに、俺はさっき見た
トラ男がAちゃんに深いキスをしている所を
苦しそうに涙ぐんでるAちゃんを
強引で乱雑な扱いに心底腹が立った
先に唇を奪われてしまったのは悔しいが、あんな乱暴なやり方でやったって意味が無い
俺は、俺なりに時間を掛けてAちゃんに近付いて振り向いて貰う
……俺が居ないと生きていけないように仕向けなきゃ
歪んだ音が聞こえた気がする
純粋無垢な愛情が、狂愛になる音が
でもいいや、幸せにさせるのは変わりないし
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作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
