第五話 ページ6
「そんな……！」
私は、現実世界から遮断されてしまい、ここの世界に閉じ込められてしまった
「直哉……くん……」
連絡手段が一切なく、知り合いも居ない
ましてや、人を平気で殺し、簡単に死んでしまう世界に
私は絶望した
愛する夫に何の話もなく別れてしまって、後悔の念がふつふつと湧き上がる
「っ…う、……うぅ……」
どうしようも出来ない絶望的な状況に、私は泣く事しか出来なかった
「う、ぁ…」
ｺﾝｺﾝ
「！！」
サンジ「Aちゃん？俺、サンジ」
「……」
サンジ「……入っていいか？」
「ちょ、ちょっと待って……！」
慌てて目を擦ってからサンジくんを部屋に通した
サンジ「体調大丈夫かい？ホットミルク作ってきたけど」
「わ、わざわざありがとう…！いただきます」
湯気が立って甘い香りと広がる
手渡しされると、微かにタバコの匂いがした
絶望的な状況だから、少しでも優しくされると泣いてしまいそうになる
サンジ「……大丈夫か？」
「うん！このホットミルクすごく美味しいよ」
サンジ「そうじゃなくて」
「……体調のこと？それも大丈夫だよ？」
サンジ「さっき、泣いていたように聞こえたから」
「ほんとー？きっと気のせいだよ」
サンジ「本当はめちゃくちゃ泣きたいのに我慢している顔だ。わかり易すぎる、て言うか、涙流れてるぞ」
「え、あ、ご、ごめ……」
あまりにも非現実的過ぎてパニックになっている
私は、上手く言葉を見つけられなかった
サンジ「Aちゃん、何があったのかは聞かねぇ…自分の中で話す覚悟が出来たら俺らを頼ってくれていいから」
「え……？」
サンジ「まだ、出会って1日目だしこれから親しくなればいいからな」
「……そんな、優しくしないでよ」
サンジ「なぁに言ってるんだ。レディに優しくするのは男の義務だからな」
「……ありがとう」
サンジ「良いってこと、早く泣き止んで元気になれよ」
「……うん」
そう言ってサンジくんは部屋を後にした
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作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
