怒りと逃亡 ページ42
───────A side──
キンさんと森の中を歩き続け、気が付けばあたりは暗くなっていた。
「わぁ！見てキンさん！真っ赤な満月！！」
「ほんまや。綺麗やな。」
「せやねぇ。でもなんで赤いん？」
「.....」
「キンさん？」
キンさんの方を見ると後ろを睨みつけている。
「誰や。出て来い。」
ドスの効いた声で言った途端、草陰から誰かが出てきた。
「！！逃げるで！ご主人！！」
「え！？何どういうことやねん！」
「ええから！捕まっとけ！！」
キンさんに抱かれる。そのままキンさんは飛び立った。
パァン!!!
木の少し上まで上がったところで、けたたましい音が聞こえた。
「ぐっ...」
「え？」
空中から落ちてゆく。
地面に背中を強打した。
「いっ...」
背中が痛いそれに服が濡れていって気持ち悪い。
ん！？服が濡れる！？濡れる要素ないのに？
「キンさん！？」
「ご主人！逃げろ！」
起き上がると月明かりのお陰で当たりがよく見えた。
キンさんに目をやると、とんでもないことに気付いた。
キンさんの片翼が無い。
付け根のようなところから血がドクドク流れている。
「は、なにこれ、」
「何しとんねん！！はよ逃げろ言うとるやろ！」
「喧しいぞガキ。」
さっきの誰かが声を出す。その目はとても冷たかった。
まるで私たちを人、いや悪魔としてみていない。
腐った生ゴミを見ているかのような目だ。
「ッチ、生きてんじゃねえかよ。」
そいつの手元を見た瞬間、スナイパーを持っていることに気づいた。
「おま、お前、お前が、撃ったのか？」
怒りで言葉が上手く紡げない。
こんな事は初めてだ。
「あ？女いんじゃねえかよ。だりぃな。」
質問を軽く無視される。
「ま、いいや。まずはこの金髪の坊ちゃんを殺ってからだ。」
そのやる、が殺る、だと理解するのに時間はかからなかった。
「キンさん！逃げるよ！」
「アホか！1人で逃げえ！」
「来い！！」
「！！...」
これは主人命令だ。主人命令とあればキンさんはなんでも聞くだろう。
その証拠に今も着いてきている。
「キンさん、あそこの小屋行くよ。」
「めんどくせぇなぁ、仕事増やすなよな」
後ろからあいつの声が聞こえる。
間一髪、ギリギリ見つからないところで運良くあった小屋の中に隠れた。
「キンさん、大丈夫？」
「大丈夫なわけ、ないやろ、ご主人のばか。」
バレないようにお互い小声で話す。
「なぁご主人、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セエレ(プロフ) - アンコさん» ああ！！ほんとだすみません教えてくださってありがとうございます！！大好きだなんてもう…ありがとうございます！頑張ります！ (2023年5月5日 7時) (
レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
アンコ(プロフ) - 大っっっ好きです！更新頑張って下さい。応援してます！！！！（今気づいたんですけどオリ作はずれてないっす！勘違いだったらごめんなさい。） (2023年5月5日 2時) (レス) @page34 id: c83f1d8e6a (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - 誰かの裏垢さん» 誰かの裏垢さん、2回目のコメントありがとうございます！！好きなんて言っていただけて嬉しい限りです！！ (2023年5月4日 22時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - おおおおお！！！遂に！！凄いですねおめでとうございます！！！この小説めっちゃ好きなのでこれからも頑張って欲しいです！！！ (2023年5月4日 22時) (レス) @page34 id: a08d7a8532 (このIDを非表示/違反報告)
セエレ(プロフ) - 誰かの裏垢さん» ありがとうございます！ネタが溢れてしゃーないので更新頻度は割と高めになるかと思われます！応援ありがとうございます！ (2023年5月1日 19時) (レス) id: b81e176fb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セエレ x他1人 | 作成日時：2023年4月28日 19時
