念願のお風呂タイム ページ9
*
自己紹介のあと、岩本さんは私を見て言った。
「風呂入るか?」
「え!? 入っていいんですか?」
それなら是非とも入らせてもらいたい!
その気持ちが伝わったのか、食い気味の私を見てやっと普通に笑ってくれた。
「あはは!さっきからソワソワしてるから、風呂入りたいんじゃねぇかなって思ったんだよ」
「はい、もう気持ち悪くて」
5月にもなると日中は汗をかく陽気だし、昨日は散々なめにあったのに野宿だったし。
お言葉に甘えてお風呂を借りることにした。
「あ、でも水しかでねぇんだわ。我慢して浴びて」
「……………」
マジか。
まあ、電気ももガスも止まってるのに水が出るだけ感謝しなきゃね。
脱衣場に案内してもらって、着ていた服を脱いでいく。
この服もう着れないよね。
ベッタリと赤黒い血が付いてるから洗っても取れないし、それ以前に着たくない。
「なあ、これ照が着替え……」
「きゃああっ!!」
着替えどうしようかなって、下着姿で立ち尽くしているところへ、タイミング悪く入ってきた佐久間さん。
「ノ、ノックくらいしてよっ!?」
「あ、ごめん。もう入ってると思って……えっとじゃこれ置いてくわ!!」
佐久間さんに背を向けてしゃがんだけど、絶対見られた。
嫁入り前の下着姿、絶対見られた。
……くそぉ。
・
冷たいシャワーで震えながら体を洗った。
いくら暖かくなったとはいえ、水は冷たい。
真夏ならともかく。
ササッと洗って急いで出て、適当にタオルを借りた。
「えっとこれを着ていいのかな?」
脱衣場のカゴに置いてあったのは
かなりデカめのTシャツと短パン。
Tシャツは着れるけど、この短パンはゴムがあってもサイズ的に難しい。
「下なら履けるし、洗わせて貰おうかな…」
乾くまで時間はかかるけど、このTシャツならワンピースみたいなもんだし。
脱衣場を出る前にそのまま洗わせてもらって、洗濯干しもちょうどあったのでそこに干させてもらってリビングに戻った。
・
798人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» あやかぽん。様、年末調整に笑ってしまいました(笑)こちらも読んでくださりありがとうございます!私もバイオからゾンビにハマり、今はウォーキングデッドですね(笑)のんびり更新ですがよろしくお願いします! (2020年12月24日 10時) (レス) id: 34cce0942e (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 読んでなかった!と思い慌てて読み始めました。(年末調整)個人的にバイオシリーズのファンなので楽しいです!!!2も楽しみです(*^^*) (2020年12月22日 23時) (レス) id: b8552d059d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 咲羅さん» コメント有難うございます!佐久間くんとの関係…これからどうなっていくのか見守ってやってください(^^)更新は早い時と、書けない時とありますが必ず完結はさせますので追いかけて下さると嬉しいです! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
咲羅(プロフ) - 主人公の女の子と佐久間くんの関係が気になります!!!更新頑張ってください!待ってます (2020年11月19日 0時) (レス) id: 357b453442 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - りささん» ありがとうございます!なかなか難しいお話に手を出してしまったもので更新頻度少ないですが、楽しんでもらえるように頑張って書きます!!体の気遣いありがとうございます!りさ様もお気をつけくださいね。 (2020年9月27日 13時) (レス) id: 96fafe184c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年5月24日 17時