君に Lock on！―2―

眠り姫 ページ10

渡辺side




渡｢おはようございまーす｣



仕事の打ち合わせのためにやって来た事務所。

どうやら1番乗りみたいで、事務所の中は普段より静かだ。


どこの会議室かな〜って確認しようとしたら、Snow Manの隣にAちゃんのネームがあった。






渡｢Aちゃん、おはようござます｣


ノックして暫く経っても返答がなくて、でも居るはずだしなと思って恐る恐るドアを開けて中を覗いた。



渡｢……あれ？｣



返答がない理由がわかった。


会議室の中心の机に一人突っ伏して寝ているらしいAちゃんがいた。


他の人は居ないのか？



そばに寄って、上から覗き込んでみると……やっぱり寝てる。


音を立てないように隣の椅子に座って、腕を枕にして眠る彼女を観察開始。



はあ、ため息が出るくらい ほんとに綺麗だ。

寝ていると更に際立つ長いまつ毛。

これってエクステ？本物？


化粧してないんじゃねぇのってくらい近くで見ても ヨレてない透き通った肌。


ぷっくりと膨らんだ、魅惑的な唇。


さらさらで傷み知らずそうなロングヘアー。



どれをとっても綺麗で、俺の理想の女の人が目の前にいる。



｢……だい、すけ…｣


渡｢………｣



寝言で俺以外の男の名前を呼ぶAちゃん。


胸が苦しい。


どうして俺じゃダメなんだって。



渡｢……これくらい許して｣



眠る姫に そっと口付ける。


どうしても諦めきれないけど、佐久間と先輩を応援したい矛盾した俺がいて、


唇を重ねれば、その罪悪感で気持ちを閉じ込められないかなって。




渡｢……柔らかい、な｣



ごめん。


どうしようもない後輩で。




渡｢好きだよ｣




どうかこのまま起きないで、


どうかこのまま気付かないで、


どうかこのまま時間よ止まってくれないだろうか。






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