swlming６ ページ32
呆然としながら、遅れて会社に到着。
死ねばいいのにって思っている上司に怒られそうになったけど、
「人身事故でーす」
と、人身事故をネタにしてやっと解放。
不謹慎すぎる。
トボトボ歩いていると、上司に連れ戻される。
「二宮」
「はい」
「お前Aとペアになったから」
あ！そうだった！
ペアになるんだった！
ばかみたいに嬉嬉するおれ。
でもね、気まずいんだよ！
ワンナイトラブだったんですって、我々！
はい、ととりあえず返事をして、Aちゃんのところに向かう。
なんだか！てきぱき仕事してる後ろ姿を見て、まあまあおさまってたイライラがまた再発。
……ちょっと揶揄うぐらいいいよね？
だって、Aちゃんが悪いんだもん！
「A？」
いきなり呼び捨てで、肩をトントン。
すると、びく！って震えて振り向く。
可愛いとか、また思っちゃった。
今度は自分にイライラ。
でも、よーく見ると震えてる。
加虐心が煽られる顔するの、やめてよ。
「…はい」
「昨日、大丈夫だった？」
「あの、静かに……」
「起きたらいなかったから心配だったよー、初発で帰ったの？」
「はい……」
「泊まればよかったのに！」
「……」
とか、あたかも俺の家に来たかのように言ってみた。
大声で叫びに近い、いやがらせ。
ほら、クソ女がチラチラ見てる。
それに戸惑うA。
「今日も来るでしょ？」
「えっと……」
「ペアになったから一緒に帰ろうね？じゃ、営業行こっか」
くるん、と可愛く振り向いてガッツポーズしながら営業に行く。
バタバタと支度してる音が聞こえる、作戦成功。
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作者名：緩雨 | 作成日時：2017年6月12日 19時
