わたしの全部を、あなたに。［S］ (ページ33)

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32 誰得？ページ33

先生が帰って、疲れた体をベッドに沈めこむ。

結局、テストは丸つけしてくれなかったし、
初回授業って言っても、授業なんてやってないし、
生産性のなさそーうな会話をしてただけ。

なんで古典好きなの？
相葉くんだっけ？どうやって出会ったの？
相葉くんのどこが好きなの？
好きなタイプは？……

とか、本当に誰得？っていう話。

面白いからです。
文化祭の準備の時に会いました。
明るいところです。
好きになった人がタイプです……

そんな話に、真面目に答えてる私も私。

痺れを切らして、机をだんって叩いて抗議。
「あの！これ関係ありますか？」
「あるに決まってるでしょー！受け持つ生徒が？どういう人が好きで、どういうタイプでー」

指で空中に何か書きながら、話してると、何か思い出したようにその指を口に当てる。

「あ、俺ら付き合ってたんだっけ？」
「……多分、付き合ってないです」
「ってことは、付き合ってるのね？」
「今の、私の意思確認ですか？」
「ばれた？」
「ばればれです」
ほら、絶対関係ない話。

先生は、あははーって笑ってるけど、
私は真顔に近い、呆れ顔。

むしろ、嫌悪感満載な顔で小さい反抗をしてみたけど、満更でもなく笑ってる。

なんてことを思い出していたら、
短かったのに色んなことがあった1日が終わった。