わたしの全部を、あなたに。［S］ (ページ27)

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26 人間関係のメリットデメリットページ27

「はは！友達いないのに青春！……あれ、怒ってる？」

ずっと先生を睨んでたら、やっと気づいた。

「友達います！」
「えぇ？いるの？」
完全に馬鹿にされてる。

「さっきの、相葉くんは友達です！」
「へぇ！いないって言ってたのにね！友達なんだ！他には？」
「……相葉くんだけですけど？」
「え！ははは！」
お腹抱えて仰け反りながら笑ってる。
ひい、って言いながらベッドに座る。
私も、呆れながら机の椅子に座る。

「相葉くん？のこと好きなんだろ？」
「えぇ、まぁ…」
「告白は？しないの？」
「しません」
「だろうね、唯一の友達がいなくなったら嫌だもんね！」
「……」
「友達は失うかもしれないけど、大切な人はできるかもしれない」
先生が急に哲学的なことを話し始めて、興味が湧く。

「さぁ、国語の評価５のAちゃんに問おう」
「はい？」
「好きな人と付き合った時のメリットは？」
「…わかりません」
「そう、それが答え。テストだったら丸つけてあげる」
ふふん、って得意げに笑ってる。
ちょっとかわいいって思った自分に微苦笑。

「人間関係のメリット、デメリットは実際に体験しないと分からないんだよ」
「…まさか、私に経験をしろと……？」
「そう、いろんな意味もふまえて」
オブラートに包んだけど、アウトだよ。先生。

さぁて、と可愛く言いながら立ち上がる。
腕を腰に当てて、してやったり顔で見下ろされる。
「俺と付き合え」

時が止まった気がした。