わたしの全部を、あなたに。［S］ (ページ3)

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2 身震いページ3

「明日空いてますので、早速面談しますか？できれば、家族揃ってお会いしたいのですが」

落ち着いた敬語でそう言われた。
はい、と返事をして時間を確認し、切ったが
家族が揃うかわからない。

私の家族構成は父、母、私の3人家族。
親は共働きで忙しいから、家に帰ってくるのは希のこと。

すぐに、
『明日、家庭教師の方を呼ぶんだけど、帰ってこれる？』
と、メールをしたが、返ってくるのは2人とも、
『ごめん』
の三文字だけ。

やっぱ、ダメかぁ。
忙しいから、しょうがない。

不安を抱えて、次の日。

先生には、忙しいみたいで揃わないです、の電話を入れようか迷った。
でも、きた時に言えばいいかな？って思ってたけど、やっぱり入れた方が良かったかな……と、不安になって、やけに目覚めが良かった。

着替えたり、部屋を片付けたりしてたらあっという間に先生が来る時間になった。

時計の長針がぴったり０になった時、ピンポーン、と音がなった。

モニターを見てみると、ホームページ通りの顔。
やっぱり、イケメン。

でも、一応知らない人だし、まだ、詐称説は消えてないから、ドアガードをかけて開けた。
恐る恐る顔を上げると、不思議そうな顔をしてからはは！って仰け反りながら笑った。

「…どうも」
「いや！普通、ドアガードかけないでしょ！こんな生徒初めてー」
まだ、笑ってる。笑い上戸？

無言で不思議そうに見てると、ドアが閉まる！って勢いでガンッとドアに肘をつく。

「…そろそろ開けて？」

さっきとは違う、ちょっと怖い顔でそう言った。
怖くて身震いをした。