わたしの全部を、あなたに。［S］ (ページ19)

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18 人間不信の原因はページ19

「あ、ちゃんと来た」
はあはあ、と肩で息しながら自転車を降りてる。
そりゃそう、あの速さで来たら疲れるわ！

「……なんでここに？」
「逃げられたら困るからねー、一応」
「いや、逃げませんよ。隠れもしません」
「あら、それは良い生徒を持ったね」

類は友を呼ぶってこと？
って呟いて、ぎゃは！って感じで笑ってる。

「逃げるって、なんですか？」
「言葉のあや！」
「そうですか……、ってなんで自転車なんですか？この前は徒歩だったのに」
「自転車通学って聞いたからねー、学校から家まで何分で着くかなって思って」
「だからって、自分で確認しますか？普通！私に聞いてくれれば良かったのにー」

「他人のいうことなんて信じられるか！いくらでも嘘つけるからね、確認しないとー」
「人間不信？」
「原因不明のね」
「本当ですか？」
櫻井先生が、は？っていう不思議顔で見られる。

「なにか、原因があるように見える？」
「さぁ？直感です」
「感覚的に物事を捕らえる人は嫌いじゃありません。さ、行こ」
「はい」
あれ、この前も好奇心旺盛な人は嫌いじゃありません的なこと言ってたような

自転車に跨って、二人並んで漕ぐ。
「あれ、猛スピードで行かないんですか？」
「君がいつも登下校してるスピードじゃないと、正確に測れないからね」

と言いながら、私を追い越した。
矛盾してる。