わたしの全部を、あなたに。［S］ (ページ15)

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14 幸せを祈るページ15

それから、相葉くんが学年制作だってことを知って、帰る方向も一緒だったから、たまに一緒に帰ったりしてた。

これほど、強制的にやらされて嫌だった学年制作が楽しかった。
強制させたみんなと、資料を運ばせた横川先生には本当に感謝。
だって、相葉くんに出会えたんだもの！

でも、三年生になっても、その関係は友達のままで発展せず。

いや、むしろ、このままがいいなんて。
相葉くんが幸せそうに笑ってたら、友達でいいやーって。
好きな人の幸せを祈るってこういうことなのか？と、今まで理解できなかったこともできるようになった。

相葉くんと一緒に帰ったとき、委員会なににしようかなぁ、という話になった。
「んー、Aちゃんは何に入るの？」
「図書委員にしようかなぁ」
「図書委員やってそう！あれ、たまに見かけるんだけど、図書室で勉強してなかった？」
「え、うん。してる」
一人で勉強してるの見られてたの？
すっごい、恥ずかしい！
寂しいやつみたいになってなかったかな？

「だよね？あ、Aちゃん勉強してるーすげえ！って思ってさぁ」
「すごくないよー」
「すごいよ！……おれも図書委員になろっかなぁ」
「え？」

びっくりして、相葉くんの方を向く。
それに気づいた相葉くんも私の方を向く。

「Aちゃんいるんだったら、たのしそうじゃん？」
ふ、と笑ってまた前を向く。