〜院長として〜＊ゆくる＊ ページ49
本当にお父さんだったことに、野坂は少し驚き、看護師は分からず戸惑っていた。
『学校は休んできたわ。ハルヤくんの命の方が大事だから』
「俺はそんなヤツに育てたつもりはない！」
学校を休んでまで来たことに苛立ちを見せる院長(Aの父)。
『私をずっと1人にさせておいて何言ってるの！？』
Aは冷たい態度を取られ、泣き始める。
「…今からは手術だ。後にしてくれ」
すぐに去ろうとする院長に、野坂は動いた。
「それでも」
「それでも、Aの父親ですか？」
「どういうことだ」
「Aの父親なら、悲しむことなんてさせない、人を必ず笑顔にさせる…それが院長としての役目で、Aの父親としての役目でもある、そうなんじゃないんですか？」
「失礼する」
しかし院長は答えることなく行ってしまった。
『あんなの、お父さんじゃない…』
いつもと全然違った父の様子に、Aの悲しみは増えるばかり。
「手術が成功しないとハルヤくんは助からないし、Aがどうなるか分からない。だから、今はあえて父の時の優しさを捨てて、手術へと気持ちを切り替えてる」
面会ができないため、ロビーのソファーに座りながら話していた。
『それでも…やっぱり悲しいよ』
「大丈夫、手術が成功したらいつものAのお父さんに戻る」
優しく寄り添い、安心させてくれる野坂が、Aにとってとてもありがたかった。くじけても側にいてくれるのが。
『悠馬は本当に優しいよね…』
「Aが好きだからだよ。好きだから、明るくさせてあげたいんだ」
いつも大人な対応で、優しい。Aにとって野坂は、好きな人であり、憧れのようでもあった。
『手術、成功するように祈ろうね…』
まだ完全に元気を取り戻せていなくても、笑顔を見せた。
「前みたいに上手くいくはずだから。頑張ろう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神月 - ゆくるさん» 愛知………愛知もいいと思いますよ! (2019年3月15日 7時) (
レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる(プロフ) - 神月さん» 愛知です！この先の市とかは流石に言えないですが、東京いいなー！です。でんでんはすごいですからねー！ (2019年3月15日 4時) (レス) id: 65c6a6a18f (このIDを非表示/違反報告)
神月 - ん、……東京じゃないんですか?てっきり東京に住んでるのかと思ってました……あ、あと 小説見ました！！やっぱり面白いです (2019年3月11日 16時) (レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる(プロフ) - 神月さん» ははは（笑）東京に行ってなりたいなーとおもってます！ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 65c6a6a18f (このIDを非表示/違反報告)
神月 - ゆくるさん» パティシエ！なるほど……もし、夢がかなったら食べに行きます! (2019年3月10日 9時) (レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
