【幸村精市】ゼラニウム (ページ10)

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『ありがとうございます。良くはないですがね。先輩も褒めてくださいましたし、普通って事にしますね。』

柳「…目付きは海堂より鋭くない。」

『それは私がお母さん似だからです。』

柳「フム…海堂と似ているところと言えば」

『！』

柳「黒髪、平均より高い身長。それに腕の長さか。」

『っ…あ、はは。それも遺伝、ですかね～？』

柳「…？俺は練習に戻る。」

『はい、ありがとうございました。』

駄目だ。もしここでもイジメられたら、なんて考えてしまう。

もう守ってくれる人はいない。でも私はここで強くなるってきめたんだ。

幸「Aー、いるー？」

『あ、はい！！入ってどうぞ！！』

幸「ありがと。忘れ物してね。」

『そ、そうなんですか。』

さっきの事があってか、先輩が怖い。顔に出さないようにしないと。

幸「…A、仕事が多いから嫌って思った？」

『い、いえ！！それは無いですよ！！』

幸「なんか元気無いんだよなぁ…」

『…大丈夫ですよ？』

幸「まぁいいや。A。こっち来て。』

『はい。』

幸「元気が出るおまじないー。」

先輩は私の額にキスを落とした。

『ななな、なんて事するんですか！！？』

私の顔は昼より真っ赤だろう。きっと。

『そ、そういうのは好きな人にやるべきですよ！！私で実験しないでください！！！』

幸「元気出たね。」

『あ。』

幸「あはは、Aちゃんかーわいー。表情コロコロ変わる。」

『変わらせてるのは誰ですか…しかも可愛いじゃなくて面白いの方がきっと意味的には合ってます。』

幸「元気出たようでー。俺は行くけど、また元気無かったらしてあげるよ？」

『遠慮しまーす！！』

ゆっきー先輩、優しいんだけど方法を直して欲しいなぁ。流石にキツイっす。

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掃除…おけ。ドリンクタオル…おけ。運びますか。
中々重い。んお？急に軽く…

柳生「持ちますよ。」

『いや、先輩に持たせる訳にはいきませんよ！！』

柳生「こちらもレディに持たせる訳にはいきません。持たせてください。」

『…じゃ、じゃあお願いします。』

柳生「はい。」

『柳生先輩。敬語じゃなくてもいいんですよ？私年下ですから。』

柳生「えーと。これは癖なので。」

『あ、そうだったんですか。では話しやすい方でお願いします。』

ふむ。柳生先輩は紳士だ。