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第27話 ページ31

『..ぅ......?』


「あ、起きた?おはよ」


目を覚ますと隣にはいっくんがいた。


ずっといてくれたのかな......?
もしそうなら、悪いことしたなぁ



まだ覚めきれてない頭をゆっくりと動かし、色々考えながらも起き上がる。


『……。』


「大丈夫じゃないよね?ゆっくり談話室に行こうか」



ぼーっとしながらも、いっくんの言ったことを理解し行動に移す。


いっくんを見てうなづいてから歩き始めようとすると、
いっくんは優しく手を握ってくれて軽くひいてくれた。



廊下に出ると、窓から見える空は暗く、どこかが空いているのか肌寒い風が少し吹いていた。



『いま...なんじ?』



「今は7時。丁度夕飯の時間。食べれる?」



『ん。食べる。』





歩いているとだんだんと目も覚め、意識もはっきりしてきた。


部屋を出て少しすると、いっくんは急に止まった。


『??談話室に行くんじゃないの?』


「お前さ、壮五をテレビで見たのは覚えてるよな?」


『うん、それで部屋にもどったんでしょ?覚えてるよ』


「そっか、そのことでみんな心配してるから、家のこと今日言わないと。」


『そっか......ダメか』



「うん。さすがにね。
 フォローはするから」


『......わかった』


私が了承すると、いっくんはまた歩きだし、“今日もカレーかな”と呟いてからため息をついた。

しかし、その顔は笑っていた。




私はそんないっくんを見ながら、

今日が、ここで食べる最後の夕飯なのだろうか、と

胸に悲しみを抱えつつ、表に出さないよう

『カレー、楽しみだね』といっくんに告げた。

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霞草(プロフ) - にゃんまるさん» はじめまして!コメントありがとうございます!あ、ほんとですか!?すいません、誤字ですwwご指摘ありがとうございます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 9d5707087f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんまる(プロフ) - こんにちは。こちらの作品読ませてもらってます!とても面白いです!。 大変言いにくいのですが、ポリ袋じゃなくてポチ袋じゃないでしょうか?そういう仕様でしたらすみません。 (2018年1月4日 13時) (レス) id: f67bcd144c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2017年9月26日 16時

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