[めいこい] ー消えた花嫁ー [明治東亰恋伽] (ページ10)

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ー花嫁の寂しさーページ10

あの後、私は警視庁まで連れてこられていた

もうここまで来ると刑務所に入ったらとりあえずは死なないかな、なんて考える始末だ

とりあえず警視庁のとある一室で取り調べを受けていた

「もう一度聞く、名を名乗れ」

「梔Aです」

「年齢は」

「今日１６歳になりました」

「住所は」

「……….言えません」

「親の名前は」

「言えません」

「生まれ故郷は」

「……..言えません」

「ふざけているのか、貴様は」

「言えないものは言えないんです」

そんなの教えたってどうせわからないだろう

とりあえずなんといったらいいか

「………..硬く、口止めされているんです」

あながち間違ってはいない。実際私は小さい頃から両親にもし村の住人以外の人に村のことや家系のことを聞かれても答えるなと言われている

たぶん、これでまた彼の中での『捨て子説』の信憑性は高まってしまうのだろうけど

「…….仕方ない、しばらくは留置所に入ってもらうぞ。引き取り先などは明日から探す」

引き取り先、ねえ

こんな私を引き取ってくれる人などいるのだろうか

この時代の知識はほぼ無いに等しい私は足手まといにしかならないだろう

頼るあても、お金も何もない私に

居場所なんかないのではないだろうか

そう思うと少し寂しくなった

友達に、最後に会いたかった

両親にも言いたいことはたくさんあった

なんだか目の奥が熱くなってきた

情けないな