[めいこい] ー消えた花嫁ー [明治東亰恋伽] (ページ8)

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ー花嫁と警察官ーページ8

「さて、この落とし前はどうつけてもらおうか？」

面倒なことになった

「なんだ？その服は？結婚でもするのか？どっちにしろ金はありそうだなあ？」

やっぱりこの服装は注目を浴びるようだ

それも悪い意味で

「……..本当にすみませんでした」

「誤ったらなんでも済むと思ってんのか？」

そう言うと彼はいきなり私の肩を掴んできた

「俺の服に汚れつけやがって、世間知らずなお嬢様は知らんかもしれんがよお、汚れを落とすのは大変なんだぜえ？もし汚れが落ちなかったら新しいものを買わなくちゃなんねーんだよ」

「…………」

右肩にぶつかったのにどうして左の脇腹に汚れが付くのか、とか

言いたいことは山ほどあるけど、ここは静かにしておいたほうがいいだろう

そう思っていたのだが

「誤って、あとは黙って聞いてれば許されると思うんじゃねーよ！」

バシッ

「っ！！」

ついに手が出た。彼は私のほおをたたいたのだ

平手打ちなんて、初めてかも

ふと、媒酌人さんを思い出す

が、周りにはいなかった

これは、自分でなんとかするしかないのか

そう思った時だった

「おい、そこのお前」

ふと、声が響いた

低い、男性の声

振り返ってみると、長い緑色の髪をした何かの制服を着た男性

どこか見たことがあるような服装だった

すると、私を叩いた男性は彼を見るなりこわばった

「あ、違うんですよ」

「何が違うのだ？」

慌てて弁護しようとする男性に彼は厳しい声で答えた

あ、そっか。警察官だ

「いや、この娘と打つかてしまったもので」

「ほう、それで？」

「そ、それで…..」

「それでこの娘を恐喝していたのか？」

「いや、そんなことは。あ、用事があるのでこれで失礼します！！」

「待てっ！」

そう言うが早いか彼は裏路地に逃げ込んでしまった

警察官も、少し追いかけたが深追いはせず、すぐに戻ってきた

さて、そろそろ媒酌人さんを探しに行かなくては

さすがに遅すぎる

「ありがとうございました。連れがいるので私も失礼します」

私が何気なくお礼を言い、立ち去ろうとした

「待て、お前にも話がある」

が、なかなかうまくいかないようだ

私は、小さくため息をついた