[めいこい] ー消えた花嫁ー [明治東亰恋伽] (ページ11)

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ー花嫁の家ーページ11

ふと、ノックの音が響いた

「藤田、入るぞ」

なんだか、太っ腹な(体系的な意味で)男性が入ってきた

制服が少し違うし、なにかバッジのようなものが付いている

見るところ、この藤田と呼ばれた人よりも偉い人なのだろう

すほ、男性と目があう

「どうしたんだ、この子は」

「……さきほど不当な輩に絡まれていたようです。おそらく捨て子かと」

やっぱりそう思われてるんだー

「なんだと！？」

すると太っ腹な男性の顔が変わった

怒ったような、悲しそうな顔

「こ、こんな年端もいかぬ娘を…...許せん！！」

なんだか、すごい気迫に私が押されてしまっている

それはおそらく藤田さんさんも

「……ところで、この子は今夜はどこに行くのだ？」

「身の置き場がないので留置所に….「なんだと？！」」

またしてもすごい剣幕だ

「こ、この子を留置所にだって？！いくらなんでもそれはいかん！私が引き取ろう！」

「え？」

思わず私は声を上げた

「安心しなさい。君の身柄は私が保護しよう」

すかさず藤田さんが止める

「しかし、最近奥さんの容態はよろしくないと伺っておりますが」

それはまずいんじゃないかな

しかし彼は私が世話をする、この子を留置所になんていかせないの一点張りだ

困り果てた表情の藤田さんが、ふと黙り込んだ

しばらく何かを考えたのちに、私をちらっと見た

「…….では、私がこの子を預かりましょう」

「な、なんと…..」

私もびっくりだ

「そうなれば鎌田さんは心配しなくともよいでしょう。今は奥さんをきずかってやってください」

「し、しかしだな。いいのかい？君も」

ふと私をみた優しい(本当の意味で太っ腹な)鎌田さん

「私も、奥さんの方を優先して欲しいです」

そう言うと今度は泣きそうな顔になる鎌田さん

「や、優しい娘だなあ。わかった。藤田。この子は任せたぞ」

こうして私の明治での身の置き場が決まったのであった