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ー花嫁は夢を見るー ページ2
暖かい日差しと雲ひとつない空を人力車の走りに揺られながら見上げた
なんで、晴れてしまったのだろうか
「…….バカ」
私は小さく悪態をついた
今日は私の誕生日であり
神前式でもある、つまりは婚姻を結ぶ日なのだ
おめでたい、だって？
とんでもない、私は結婚なんて望んでない
なんたって、私は私の婚約者が嫌いなのだ
ちらりと横を見るとまるで絹のような髪がなびいていた
漆黒の髪に凛々しい顔立ち、瞳の赤はまるで宝石のように美しく
その姿に、人々は惑わされるにだろう
だけど、私は知っている
この美しさに似合わないほど、内面はとても歪み、汚れていることを
もう一度空を見上げると、鳥が飛んでいた
自由に、気持ちよさそうに飛んでいる鳥を見て、密かに私は夢を見るのだ
私も、あんなふうに自由に………..
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作者名：Yukki | 作成日時：2015年2月15日 22時
