合宿#18 ページ22
深夜1時を回った頃。ようやくドアがノックされてあべべが入ってきた。
「ごめん。遅くなったね」
「マジで眠い」
「ごめん！10分だけ付き合って！」
行こう、と私の手を引いて別荘の外に出るあべべ。
私は眠すぎるのであべべにされるがままでついていく。
そして別荘の真ん前の砂浜を並んで歩く。
「あべべ1人部屋で寂しかったんでしょ？」
「まあ寂しいと言えば寂しいけどそこまでじゃないよ」
「じゃあなんで私のこと呼び出したの？」
「…Aにこの夏伝えとかなきゃなって思ってさ」
あべべは足を止めてさっきと同じ真剣な顔をして私の方を向いた。
私も立ち止まって見つめ返す。
「俺ね、Aのこと一年生の時から好きだったんだ」
「…」
「ごめんね。俺、Aが彼氏作らないとか言ってるのも知ってるんだけどさ、それでも好きなんだ」
「…うん」
「まあだから付き合えとか、返事を聞かせろなんて言うつもりはさらさらないけどさ。俺のこと、少しは意識してくれたら嬉しい」
あべべはそう言うとくるりと別荘の方に体を向けた。
「帰ろっか。眠いだろうにつきあってくれてありがとう」
いつも通りの笑顔で早く行こうと急かすあべべ。
私は何も言わずにあべべについて行って部屋に帰るとすぐにベッドに入った。
あべべの気持ちは嬉しい。
だけど…あべべに何か特別なことをしたわけでもないのになぜ私なのか。
私は彼と今後も友達としてうまくやっていきたかった。
でも、あんなに真剣に言われてしまえば、こちらも真剣に考えなければならない。
「これだから恋愛は嫌いなんだ…」
私は目を閉じて眠りについた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪野真哉(プロフ) - ななさん» リクエストありがとうございます！合宿編終わったら是非とも書かせていただきます！ (3月22日 20時) (
レス) id: 783aafc6fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - じゅりせんせいといちゃいちゃとかみたいです!! (3月22日 16時) (レス) @page16 id: 54b20791cc (このIDを非表示/違反報告)
雪野真哉(プロフ) - 小袖さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます♡これからも是非是非ニヤニヤして行ってください！わら (3月19日 23時) (レス) id: 783aafc6fa (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - 面白いです！にやにやしながら読んでます(笑) (3月19日 22時) (レス) @page4 id: 85c8a13628 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月19日 14時
