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店に入ると大介が入口まで出て来た。
「いらっしゃいまs…うわああああ！？！？え、A！？」
「うん。やほ」
「いや、え、どしたの！？誰かと思ったじゃん！！！！」
「可愛いでしょ〜」
「マジで可愛い！」
「ありがと！」
「…ピーマンのくせに俺のAちゃん口説こうとしてんのか」
「こら辰哉」
辰哉は冗談だよと笑って大介の手を握った。
大介はびっくりした顔をしていたけどしっかり握り返していた。
「俺がいなくなった時、お前にAちゃんの事を頼もうと思う」
「うん。任せて」
「でも付き合って結婚して〜とかはできたらしないで」
「それはわかんないなぁ」
「…お前マジで嫌いだわ」
「にゃはは！上等！」
2人は喧嘩してるのか仲がいいのかわからないけど男の友情！って感じで抱きしめあってたから私は何も言わずに後ろで見守ってた。
「お前にはめっちゃ感謝してるからさ。今日はそれを伝えに来たんだ」
「そっか！こちらこそありがとう！」
「それじゃあそろそろ次行くか。じゃあな佐久間」
「辰哉くん。…元気でね」
私の右手を取って背を向けた辰哉に何かを感じ取ったのか悲しそうな笑顔を浮かべる大介。
大介は空気からこういうのを読み取っちゃうから気づいたんだろうなって思った。
辰哉は私と繋いでない左手を無言で上げてそのまま店を後にした。
「…やっぱいいやつだな、あいつは」
「私もそう思う」
「…好きになっちゃだめだよ」
「はは。大丈夫。今のところは辰哉以外眼中にない」
「そっか」
私たちはそのまま歩いて私の会社へと向かった。
まあ会社の前まで行くだけなんだけど。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
