・ ページ4
体に感じた痛みに私は目を覚ました。全身が痛くて動けない。
「あ、あれ、」
「おはようAちゃん。ご飯食べる？」
「おはよ。あの…食べ…たいんだけどさ、体が動かない…」
「え！？救急車…」
「いやいやそこまでしなくて良いから！」
すぐに救急車を呼ぼうとするクセ、やめさせないとなと考えながら天井を見上げる。
「筋肉痛かなぁ…」
「え、全身？」
「うん。たぶんね。昨日すごい走り回ったから」
「あらら」
辰哉ははい起こすよ〜なんて私の腰あたりに腕を回してぐっと起こしてくれた。
腹筋も痛かった。
こんなことで筋肉痛なんて私も歳だなぁとか思ったけど歳を取ったら2日後に筋肉痛が来ると聞いたのでまだまだ大丈夫だろうと自分に言い聞かす。
「どうする？あっちまで移動できる？」
「できれば動きたくないのだが」
「でもちょっとは動いた方が早く治るってどっかで言ってたよ〜。はい立って」
「え〜」
辰哉に補助してもらいながら立ち上がる。
足がガクガクしてうまく立てない。
「やっばい。急に80くらい歳とった気分」
「足ガックガクじゃん。生まれたて？」
「誰が子鹿だよ」
軽口を叩きながら少しずつ歩く。
テーブルまではすぐそこなのにあまりにも痛すぎて歩幅が小さくなるため1メートルくらいの移動にも時間がかかった。この先が思いやられる。
「なんか歳とって足腰弱くなったらこんな感じで支えられるのかな」
「残念ながら先に腰やるのは俺だね」
「ほお。それはなぜ？」
「ちょっと前にギックリしたから」
…先が思いやられるよ本当に。
2人で笑ったけど笑ったら腹筋が痛かったので今日から当分笑わせるなとお願いした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 463人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
