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辰哉を納得させて1人ずつでお風呂に入りお風呂で火照った体が少し冷めてきた頃。
思い立ったように辰哉が立ちあがり、ニコニコしながらキッチンへ向かった。
「辰哉何してんの〜」
「ん？タルト食べようと思って」
「あ〜そう言えばそうね。でも今食べる？もう夜9時回ってるじゃない」
「いいの！少しくらいこういう日があっても！」
最近ずっと夜遅くの食事が続いているのは気のせいなのでしょうか。
まあでも今日くらいはいでしょう。辰哉の笑顔に免じて。
「俺いちご欲しい！」
「よく見て。いちごいっぱい乗ってる」
「いや！これ欲しい！」
謎のこだわりを見せる辰哉だが切ったり取り分けたりしてくれているのは辰哉なので黙って時分の欲しいところをとってしまえばいいのに、なんて思うけどこういう変に真面目なところが辰哉のいいところでもある。
いただきます、と2人で手を合わせて食べる。
甘くて、少しだけ酸っぱいフルーツもあって、タルト生地とフルーツ部分の相性も良くて。
とても美味しかった。
もちろん2人とも食べきれなくて半分以上残したけど。
「じゃあもう寝る？」
タルトにラップをして冷蔵庫に入れたところでそう言われた。
寝たらまた辰哉と一緒にいれる時間が少なくなる、と寂しくなって。
でも私は素直じゃないからそんなこと言えなくて。
「食べてすぐ寝たら牛になるって小さい頃言われなかった？」
そう言うしかなかった。
辰哉は少し笑ってそうだね、とソファーへ座り自分の横をポンポンと叩いた。
「Aおいで」
彼の甘くてとろけそうになる優しい声に促されるままソファーに座り、肩に頭を乗せる。
そうしたら決まって頭を撫でてくれるから。
「かぁいいね」って言いながら。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
