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どこに行こうか、なんて話すけど学生の時と違ってはしゃいだりしたいわけじゃないからあまり思いつかない。
「俺はAちゃんと一緒ならどこでもいいよ」
なんて隣でニコニコしてるけどお願いだから何か案を出して欲しい。
いや、もちろん嬉しいんだけどね、何でもいいが1番困るんだよね。
「映画館？ショッピング？それともゲーセンとか…？いやゲーセンはさすがに違うか」
「…！ゲーセン！行こう！好きなのとってあげる！」
キラキラした目で繋いでいる腕をブンブン振り始める。
腕取れそうだからやめてください、なんて言ったら少ししょぼんとしてた。
とりあえず近くのショッピングセンターまで行ってその中にあるゲームセンターへ連れていくことにした。
とりあえずショッピングしてからね、と辰哉を落ち着かせて服とか小物とか色々と見て回る。
そんな時ある店の前で辰哉の足が止まった。
アクセサリーのお店。彼の目線の先にはピアス。
そういえば前欲しいって言ってたなと思い出す。
「見ていく？」
「ちょっとだけいい？見るだけ」
「いいよ。ゆっくり見な」
嬉しそうに頷きお店の中を見て回る。
少し気になるピアスを見つけると鏡の前で耳のところに当ててみたりしてる。
そんな中あるピアスの時に今までにみたことないくらい嬉しそうな顔をしていて。
欲しいんだろうなって直感。
買う？なんて声をかけようとしたらそれを元あった場所に戻して私の方を向いた。
「ありがとう。もういいよ。次行こ」
「え、う、うん」
辰哉に言われるがままお店を後にする。
何軒かお店を見て回った後、ちっちゃいソファーみたいなのを発見して2人で並んで座る。
「疲れたね〜」
「ね。めっちゃ歩いた。てかさ、トイレ行ってきてもいい？」
「いいよ行っておいで。ここで待ってる」
私はトイレに行くと言って辰哉から離れた。
トイレなんていうのは口実で。本当の目的は。
「すみません。これください」
さっきのピアス。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
