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いつの間に寝ていたのでしょう。
手の中のスマホが震えているので目が覚めた。電話の相手もろくに確認せず出る。
「もしもし」
「あ、A〜！？おはよぉ！！今どこおるん！？家に来てるけどピンポン何回押しても出てきてくれへん！」
「ああ康二か。今家に…」
家に…いないな。そういえば。
昨日推し様の家に泊まって手を引かれてベッドで抱き枕にされて写真いっぱい撮って…それから…
そして気づく首の下の違和感。
枕じゃない何かがある。嫌な予感にゆっくりと横を向く。
「…お前朝から元気だな」
「うわああああああ！？！？」
「え、A！？どしたん！？おーい！！」
「あっ、後でかけ直す！から！」
そう言って電話を一方的に切る。
その間も推し様とはずっと目があったままで心臓がひどく音を立てている。
「おはよ」
「お、おはよう、ございます、」
「ふは！なんだよそれ。いつもはお前からおはようって言いにくるだろうが」
「か、彼氏感があまりにも強くて…」
「はあ？んだよそれ」
ほらさっさと起きろよ、と言われ飛び起きる。
すぐさまベッドの下へ移動し正座し土下座する。
「TOとしてあるまじき行動を取りました…どうか私をお許しください推し様…」
「は？いや別にさっきのくらいじゃ」
「一緒に…一緒のベッドで、寝ました…しかも腕枕までされて！」
「…昨日のは…その…俺もお前の腕引っ張ったし…」
「いえ！あれは私が悪いんですぅぅぅ！！！そもそも私が推し様の家に泊まるなんて言うこと自体おかしいことでして！適度な距離感保つって言ったのに…」
落ち込んでいると推し様が頭にぽんと手を乗せてわしゃわしゃしてきた。
もう、幸せ大爆発、混乱パニック大渋滞です。
「じゃあお前俺のになるか？」
「…はい、？」
「だから。俺の彼女になるかって」
「いや聞こえてましたよ？…え、本気で言ってます？」
「なんでこんなこと冗談で言うんだよ」
「…付き合うってことは…私のこと…」
「ああうるせえうるせえ」
「待って！？いつから！？いつからですかぁ！？てかどこが好きなんですかぁ！？詳しく！めっちゃ詳しく！」
「やっぱ前言撤回！」
「まってぇ！！！やだ！！！」
なんだかんだあって推し様公認TO兼彼女になりました。
もしかしたら世界が今日で終わるのかもしれません。
終わるなら終わってしまえほととぎすです(？)
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
