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ドアをバタンと閉じる音が聞こえたのでニヤつく顔をなんとか誤魔化して寝たふりをする。
推し様はおいA〜とか言いながらリビングに入ってきた。
ニヤつくな自分。起こしてもらいたいんだろっ！と自分に喝を入れながら寝たふりを続ける。
「…A」
「〜っ！？」
急な名前呼びに驚いて飛び起きてしまった。
推し様も驚いてフリーズしている。
「お、推し様さっき…私の名前…」
「おま、起きてたのかよ！ふざけんな！」
「え、待って待って！なんですかさっきの！低音イケボでAって！待ってええやばいやばい！もう一回！ね、もう一回だけ！」
「…もう言わねえよ。さっさと風呂行け」
「推し様が入ってすぐなんて緊張で入れませんっ！」
「…じゃあどうしろって言うんだよ」
「確かに！行ってきます！」
自分がニヤついてるのを自覚しながら推し様の横を通り過ぎる。
まあ通り過ぎれなかったんだけど。
例によって腕を掴まれたので。
「どうしました？」
「…お前さ、わざとなの？」
「何がですか？」
「…なんでもねえ」
手を離してソファーに座った推し様。
変なの〜なんて思いながらお風呂に行ってニヤニヤしながらお風呂に入って。
前回みたいに髪の毛乾かしてもらえるかな〜なんて期待しながらお風呂から上がる。
「あがりました〜」
「…また乾かしてないし化粧水もしてない」
「だって〜」
「だってじゃねえよ。ほら来い」
やっぱり乾かしてもらえた！
推し様は髪の毛濡れてる子がいたらドライヤーしたくなるし、お風呂上がりの子にはスキンケアしたくなるんだ！すごい発見だ！
ふふふと1人で笑っていたら何笑ってんだよと顔に一瞬ドライヤーの風を当てられた。
熱風じゃなくて冷風を当ててくるところが最高に推し様の優しさ溢れてて好き！
「推し様！褒めてください！」
「嫌だ」
「なんでですか！推し様が前回ズボン履けって言うからちゃんと履いたんですよ！偉いでしょ！」
「それが普通なんじゃねえの？」
「ええ！だって先輩のやつ大きいもん！」
「大きいもんじゃねえよ。語尾可愛くしても褒めねえよ」
「だから可愛いのは推し様大天使様渡辺様ですって」
なんて言ってたらいつのまにかスキンケアも終わってて。
あとは寝るだけの状態。
それにしてもお風呂上がりのパジャマとメガネ姿の推し様が眩しい。
そろそろ推し様のチェキ会開こう。私が全部買い取るけど。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
