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「ビールくださぁい！」
「おおAちゃん元気だな。てかビール好きなんだ？」
「最初にカクテルとか可愛いもん頼んでモタモタするのを待ってられるほど可愛い女じゃないんですっ！」
「ん〜黙ってれば可愛いんだけどな〜」
「あらどうも」
新人歓迎会！
お酒っ！人の金で食うご飯っ！お酒っ！
参加メンバーは私、恵比寿くん、深澤先輩、隣のデスクの男の子、その男の子の横の女の子、ベテラン女上司さん、部長さん、その他数名。それからっ！
「せんぱぁい！」
「はいはいなんでしょ」
「推し様大天使様は！？」
「ああ。なべなら来ないよ」
「えっ」
なんのために可愛い服着て、髪の毛も綺麗に巻いてまとめて、メイクばっちりしてきたと思ってるんだ！
「やだあああ…」
「Aさん渡辺先輩のことになるといつもこんな感じですね」
「だよな。なんか羨ましいわ」
「…こうなったらとことん飲んでやる」
「はいはい。ビール注いであげるから」
そう言って前の席に座る隣のデスクの男の子佐藤くんがビールを注いでくれる。
だがそれがあまりにも下手で。なんか腕プルプルしてんの。
「下手くそかよっ。貸せっ」
取り上げて1番端っこの私たちはまたまた1番端っこにいた部長のところに佐藤くんを連れて移動して失礼しま〜すとささっと注ぐ。
「うわAさんうますぎ」
「なに、Aそう言う仕事してたの？」
「してないっすねぇ。でも推し様がえっぐい額の借金抱えたら働くかもしれんです」
「あらら」
推し様のためならなんだってしますよ。もちろん。
席に戻って他の人のもささっとついで自分の周辺の3人にもついであげて私の周りだけで適当に乾杯する。
「はいかんぱぁい」
「先輩いい飲みっぷりっすね」
「飲まなきゃやってらんないよね」
隣の席でちびちび飲んでいる五反田くんが少し微笑んでこちらを見てくる。
この人整った顔してるなぁ。
目鼻立ちはっきりしてるしお肌スベスベ。
声だって低めで落ち着いてて話し方も大人っぽい。
クールな感じも相まって女子が好みそうな感じ。
…まあ推し様には敵いませんけどね？
「先輩ってなんで渡辺先輩のこと推してるんすか？あんなに冷たくあしらわれてるのに」
「あら。あしらわれてないよ？だって私先輩公認のTOだもん！」
「TO…？」
「トップオタク！」
「なんかすごいっすね」
「…で、なんで推してるか聞きたい？聞きたいでしょ、聞きたそうな顔してると思ったぁ」
「いや別に」
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
