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「…タイミング良すぎやな」
「そうね…」
「それで、さっきの続き…」
「あなた、寝てたみたいだけどね、声かけたら、その、私の腕引っ張って…キス、したの」
「…ええええ…まじかぁ…ほんまにごめん…」
康二は私に頭を下げた。
いや、大丈夫と一言呟くとゆっくり顔を上げた。
「…俺とあったことは、忘れてもらってええから…というか忘れてもらった方がこちらとしても…」
「…うん」
「そうかぁ…まじでごめんなぁ…もし嫌やったらもう俺と話さんでもええから…」
康二は少し悲しそうに自分の膝の上に乗せた手に目を落とした。
別に避けたいわけじゃないし、謝られたいわけじゃない。
「これからも、普通に今まで通り接してもらうのはわがままかな。康二の気持ちには今もたぶんこれからも答えれないと思う。推し様…渡辺先輩が私の全てで、先輩を推してる限りは恋愛とかするつもりなくて」
「…わかっとる。わかっとったから今までこのこと言わんかったんや…」
「ごめん…でも、康二は本当に大事な同期で、自分の中ではかなり仲がいいと思ってるからその…急にいなくなられると困る…」
言ってみてあまりにも自分が言っていることが勝手なことだって気づいた。
自分のことしか考えていない。
「ごめん、自分勝手すぎるね…」
「いや、ええねん。同期としてでも、Aの側にまだ居らせてくれるんやったら。せやからこれからも、同期として仲良くさせてもらえんやろか」
「…うん。こちらこそよろしく」
2人で少し重くなった空気を明るくしようと馬鹿みたいにお酒を流し込んでお腹いっぱいご飯食べて。
そしたらまあ…
「…おいA」
「あい…」
「お前さ、バカじゃん」
「あはは…」
無事に2人して渡辺先輩保護されました。
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作者名:雪野真哉 | 作成日時:2024年3月15日 11時