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「お待たせ。先にビールだけ置いていくね」
「たっ、タイミングほんとすごいですね…」
「ふふ。前翔太も言ってたね。それじゃあごゆっくり。次は5分後くらいに持ってくるからね」
ご丁寧に次くる時間まで教えてくれた。
5分もあるなら話をするには十分だ。
「康二」
「なん？」
「康二はさ、昨日の夜のこと覚えてる？」
「お酒飲んで途中から記憶ないねんな。あ、でも今朝起きたらお味噌汁があったわ！家まで送ってくれてやんな？ありがとうな」
「いや全然いいんだけどさ。…これから話すことは全部実話だから心して聞いてね」
「うわなんかそんなこと言われたら怖いやんかぁ！」
ドキドキするわ〜と胸を押さえている康二をじっと見つめて口を開く。
「昨日ね、私が康二をタクシーで送って行ったの。なみちゃんがタクシー呼んでくれて2人で店の前で待ってたんだけどね、君に告白されたよ」
「…へえっ？」
「あれは本心？それとも酔ってて他の子と勘違いしちゃったの？」
「え、いや、その」
「その答えによってはこの後のあなたの行動についてちょっと審議よ」
俺何をしてしもうたんや〜と頭を抱えた康二は大きくため息を吐いた後顔を上げて私をまっすぐ見た。
「好きやで。本気で」
「…そう」
「…こんな形でいうはずやなかったんやけどなぁ…」
康二は悔しいなぁ呟きとビールを飲んだ。
「それで。その後俺が何してしもうたか教えてもらってもええ？」
「…家まで運びこんでお味噌汁作って。帰るよって声かけたら…」
「お待たせ。つくねだよ」
「…お兄さんほんまタイミング完璧ですねぇ」
「？？？え、でも5分きっかりで…」
「…いや流石ですよ宮舘さん…生追加で。あとレバニラください…」
「はーい。君は？」
「あ、じゃあ俺も生おかわりください」
宮舘さんは私たちを交互に見つめた後意味ありげな微笑みを浮かべて戻って行った。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
