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社内に設置されている自動販売機の前のソファーに座るように促され素直に座ると深澤先輩はポケットから財布を取り出しながらコーヒーでいい？ときいてきた。
「あ、申し訳ないです…」
「いいのよ。俺の方が一応先輩なんだし」
ね？と微笑みながら買ったコーヒーを差し出して隣に座った。
こういうのをスマートにできるからファンが多いんだろうなぁと1人で納得した。
「じゃあ何があったか話してもらってもいい？」
「…私同期が他部署に2人いるんですよね。男女1人ずつなんですけど。その子たちと昨日飲みに行ったんですけど男の子が昨日デロデロに酔っちゃって私が送っていったんですけど…」
「ふ〜ん。なんかこれ以上は聞かなくても予想ついちゃった。キスでもされたんでしょ」
頷くとウブだね〜と笑われた。
「酔ってキスなんて俺ら社会人によったら割とよくある話じゃん」
「少なくとも私の周りにはそんな人たちはいませんよ…」
「類は友を呼ぶっていうもんね〜。うぶな子が集まっちゃったわけだ」
若いっていいな〜とか言いながら少しネクタイを緩めた先輩。
体を少しだけ前に倒して私の顔を覗き込んでくる。
「Aちゃんはさ、なべが好きなの？」
「好き…というか大好き？いや憧れ…じゃなくて尊敬…？いや、崇拝です！崇拝してますね、！」
「あ〜こりゃあ重症だ」
「？」
「いやこっちの話。とにかくさ、もしなべに恋愛感情がない、っていうんだったらその同期くんと付き合ってみてもいいんじゃない？なんか変わるかもよ？世界が」
「世界が…」
そんなこと急に言われてもうまく分からない。
恋愛とは無縁の生活をしてきたわけだし…
「ま、俺と付き合ってもいいんだけどね？」
いたずらそうに笑った先輩は私の頭を撫でてそろそろ戻ろう、仕事しないとなべに怒られるよと歩いて行ったので私も後を追いかけた。
話してみて少しスッキリしたけど康二のことこれからどうしようかなぁ…
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 11時
