もちろん同担NGで【青】 (ページ22)

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もしもっと綺麗だったら。

自分に最大限の自信を持って先輩のことを推すことだってできたはずなのに。
今同担NGでやってるこの推し活だって、別に周りを気にせずできたはずだし。
同担とか気にせずにただただ純粋な気持ちで推して先輩にいい形で認知してもらって、ってできたはずなのに。

先輩に認知されているであろう自分の姿を想像してため息をついた。

「…A〜？」
「あれ、起きてる。もう少しでタクシー来るから待っててね」
「A〜俺なぁ。思うねん。Aはなぁ、世界で1番かわええし綺麗やでぇ」

寝てると思ってた康二が急に話し始めたかと思うと。
酔っているせいなのだろう。
康二は急に私を褒め始めてヘラヘラ笑いながら私の顔を覗き込んでくる。

「酔ってるからって揶揄わないで〜」
「…揶揄ってへんよ」

急に真剣な顔で私を見つめる康二。
いつもと違うその瞳になぜか私は声が発せなくて。

「俺、Aの事好きやで。入社してからずっと」

私を強く抱きしめる康二に私は抱きしめるでも声をかけるでもなくただ抱きしめられていた。