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そこからはとりあえず何も考えないように最大限努力しながらシャワーを浴びてささっと出た。
さすがに先輩がいつも使ってるところを長時間使わせていただくなんてできないし。
化粧水とかも借りるの申し訳なくてタオルで髪の毛拭きながら先輩の部屋へ向かう。
スウェットは上だけで十分すぎる大きさだったので下は履かなかった。
うわあ。これが先輩の匂いかぁ。まじでいい匂いする。やばい。にやけるな落ち着け。
口角が天井通り越して宇宙行くんじゃないかってくらいにやけてるのを感じながら先輩の部屋らしきところをノックする。
「入っていいぞ」
中から聞こえたいつもより少し柔らかめの声にさらににやけるのを感じながら失礼しま〜すと部屋に入る。
「お前思ったより早いのな」
「あ、はい。さすがにあんな聖地に長時間いたら心臓持たんです」
「そうか。じゃあまあさっさと寝…」
仕事の書類を見ていた先輩がこっちを向いたかと思うとすぐに顔を覆った。
うわ、その反応かわいい!耳赤い!かわいい!
「どうしたんですか!そんな可愛いい反応してぇっ!」
「お前なぁ、何のためにズボン渡したと思ってんだよ…」
「服だけで十分大きかったので!そんなことより先輩の服っていい匂いしますね!持って帰っていいですか!家宝にするので!」
「…ダメだ。それからデカくてもいいからズボンも履け」
「え〜」
「え〜じゃない」
先輩に言われたので仕方なくズボンを履こうとする。
「…ここで履くな」
「だって先輩が履けって言ったんじゃないですか!」
「お前なあ…」
はあ、とため息を吐いた先輩は私のところに歩いてきた。
その姿が美しすぎて神々しすぎて後退りすると壁に行き当たった。
綺麗な顔面がどんどん近づいてきててもう心臓がもたない!逃げも隠れもできないし!
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作者名:雪野真哉 | 作成日時:2024年3月15日 11時